【スケールの大きさにため息!】東野圭吾 白夜行【余韻に浸らずにはいられない】

      2016/04/10


「白夜行」は累計200万部以上を売り上げた東野圭吾のベストセラー長編で、代表作の1つである。

ドラマ化、映画化もされている。

これほど世間の注目を集めるのも納得の作品で、私も何回もボロボロになるまで読み返した。

白夜行 (集英社文庫)

 

あらすじ

ある日、質屋の店主である桐原洋介が廃墟ビルで殺害された。

客の1人であった西本文代に容疑の目がいくが、決定打がなく事件は迷宮入りする。

ところが、被害者の息子の桐原亮司容疑者の娘の西本雪穂との間に奇妙な接点が見え隠れし始めた。

2人の周りで起きる数々の事件。

捜査一課の刑事 笹垣は質屋殺しから19年間、2人の足取りを追い続ける。

心情を描かずに読者に心情を伝えるすごさ!

この作品は、2人の目線からではなく友人や家族といった周りの人の目線から描かれている。

つまり、わかるのは2人の限られた行動と発言だけで「悲しい」「嬉しい」といった心情を表す描写が一切ない。

行動と発言から推測することは可能だが、本当はどう思っているのかを知ることはできない。

しかし、読んでいるうちになんだか切ない気持ちになってくるから不思議である。

雪穂を守るために自らを犠牲にする亮司。震えながらも強くたくましく生きようとする雪穂。

これはあくまでも私の推測にすぎないが、読んでいるうちに2人の悲しい後ろ姿が見えてくる。

2人が一緒にいる場面などないのに。

単純に心情を吐露されるよりも伝わるものがあると思う。

たくさんの登場人物が後からつながり、読み返したくなる

当然ながら、亮司と雪穂の2人は19年間で様々な人と出会い、関係をもっていく。

その登場人物たちは、一見お互いに何の関係もなさそうに見えて、物語の後半で繋がっていく。

「ああ、この場面にもこんな意味があったのか」などと発見できる場面が多い。

設定が綿密で、何気ない文章に物語の鍵が隠されていることも少なくない。

白夜行」は様々な角度から2度も3度も楽しめる作品である。

最後に

私は「白夜行」を初めて読んだあと、しばらくの間余韻に浸らずにはいられなかった。

インターネットでいろいろな人の解釈を見てその世界にのめりこんだ。

本当に大好きな作品である。

白夜行 (集英社文庫)

 - 読書感想