流産手術について(吸引)

   

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忘れないうちに、流産手術について書いておきたいと思う。

前日診察にて心拍消失の確認、手術同意書をもらう。

早くつわりから解放されたかったため、翌日に予約を入れる。

夫、職場に連絡。

私は3つの職場で働いているため、3回同じ内容の電話をするハメになる。

「流産決定です。明日手術なので、すみませんが1週間お休みします」

反応はまちまちで、2番目の会社に電話するときは、電話口の声があまりにも優しくて泣いてしまった。

私はどんな顔をしてみんなに会えばよいのだろう。

どうか何事もなかったかのように接してほしい。

そして、夜12持からは絶食、翌朝8時からは飲み物も禁止だった。

朝ごはん食べられないの辛い・・・

お腹ペコペコの状態で8:40に受付。

しばらくして、診察後、前処置。

子宮頸管に子宮口を拡張する棒を入れるのだ。

「え、今からですか?え?」

と私、ビビりまくり。

ネットでは「痛い痛い」と書かれていて身構えていたが、実際には全く痛くなかった。

せいぜい注射ぐらい。全く大したことはない。

その後、病室に案内され、着替えて点滴を打つ。

人生初点滴。

これもビビっていたが大したことなかった。

注射と何も変わらない。

その時点で9時半頃。

本番の手術はお昼頃らしいから、それまで暇だ。

伊坂幸太郎の『ガソリン生活』を読みながら待つ。

これは車が一人称で、車同士で会話するという、なんとも新しい小説だ。

私は車には全く興味がないが、こんな私が「面白い」って言っているんだから、車好きな方はきっと大興奮で一気読みするだろう。

それと同時にスマホゲームをインストール。

「ママにゲームを隠された3」だ。

1、2をやったことがあるが、実に面白かった。

隠されたゲームをママに見つからないようにゲットする、脱出ゲームの1つでエンデングが楽しみだ。

こんな感じで子どもを失った悲しみが麻痺してるのか感情が壊れたのか、よくわからない状態で手術の待機をする。

そして、待つこと約3時間。

12時半頃、私はようやく手術室へ案内された。

へー、ここが新生児室なんだーとか、自販機がたくさんあって助かるなあとか、私は次に赤ちゃんを産むときのための下見気分になっていた。

そして通された手術室。

妙に明るい部屋に体を固定する台があって、私は両手両足ガッチリと固定された。

マスクをされ、「眠くなる麻酔を入れます」という声が。

私が受けたのは全身麻酔ではなく、静脈麻酔。

この2つの違いは、正直わからない。

深呼吸して数を数えたりするのかな。

私、麻酔効くかな。

お酒強いしなー。

あれ、数数えないんだ。

目の前がぐるぐるする。

文字通り、ぐるぐるぐるぐる。

あ、何も見えなくなった。

それから幻覚のようなものを見ながら、手術っていつ始まるんだろーって考えていた。

「終わりましたよ」

突然看護師さんに声をかけられた。

え、もう?いつの間に?

痛みは全くなく、幻覚が夢だったことが信じられなかった。

同時にろれつが全く回らないことに気づいた。

体も動かない。

手術台から担架への数センチの移動も必死だ。

自分がどこにいるのかもよくわからない。

例えるなら空きっ腹に焼酎をストレートで10杯飲んだような・・・

頭が、ぐるぐるぐるぐる。

目覚めては幻覚を見て、幻覚を見ては目覚めて。

もはやどちらの世界に自分がいるのかもよくわからなくなっていた。

この世に存在することを確かめたくて、夫の手を握った。

暖かさが、嬉しかった。

「頭がいたい、意識がもうろうとする」

そう呟き、私は何回も吐いてはナースコールを鳴らした。

手術が終わったのは1時頃で、4時頃退院したのだが、その3時間に4、5回は吐いてしまった。

ああ、すごく気持ち悪い。

でも、妊娠悪阻の人は毎日こんな感じなんだろうな。

すごいなあ。

私は半日でも耐えられない。

それからなんとか家に帰って、レトルトのお粥を30分以上かけてゆっくりと食べた。

これが、私の手術の1日。

私は不思議なことに病院で一度も泣かなかった。

赤ちゃんがいなくなった喪失感はあったが、どうして泣けないのかわからなかった。

もう1週間で十分泣いたからだろうか。

それとも悲しみというのは徐々に生まれる感情なのだろうか。

流産手術のまとめ。

全く痛くない。ただ、麻酔の吐き気がやばい。

もう2度と受けたくないなあ。

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