【ページをめくる手が止まらない!本格ミステリー】 東野圭吾「幻夜」【白夜行の後に】

読書感想

「幻夜」は白夜行の姉妹作、続編と言われる本格ミステリー小説である。

単体でももちろん面白いが、白夜行のあとに読むことを強くお勧めする。

出版部数は約100万部で、深田恭子主演でドラマ化もされている。

幻夜 (集英社文庫)

あらすじ

関西に住む水原雅也は阪神淡路大震災の直後、衝動的に殺人を犯してしまう。

それをたまたま深海美冬は目撃してしまう。

2人は深い仲となり、「2人の幸せのため」美冬の指示に従って雅也は様々な犯罪に手を染めていく。

一方、美冬は着実に成功をおさめていく。

そもそも美冬は何者なのか?雅也は疑問を抱き始める。

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白夜行とは違う描かれ方で面白い

白夜行との比較になってしまうが、白夜行では主役2人の視点で物語は描かれていない。当然、2人の会話シーンは一切ない。

それに対し、幻夜は雅也視点で描かれている箇所が多々ある

白夜行では描かれなかった男女2人の会話シーン、触れ合うシーンを存分に見ることができる。

どちらがいいとは言えないが、異なる手法を楽しむことができるので得した気分になる。

しかし、相変わらず女(美冬)の視点から物語は描かれていない。

彼女は何を考えているのか?想像に任せるしかないところも、謎を残していて味わい深い。

人生の歯車が狂っていく様子が切ない

この物語では、何人もの男たちの人生が狂っていく。

一番の被害者は雅也だ。「あのときああしていれば」「あれをしなければ」そう思い返す瞬間は誰にでもあるだろう。

ほんの些細なきっかけで人生は狂う。

一つの過ちは、修復できない悲劇を生む。

それがとても痛々しくて、たまらなく切ない。

最後に

「幻夜」読了後は「白夜行」と同じように、しばらく余韻に浸ってしまった。

謎が謎を呼び、先の展開が気になる小説で、美冬のその後も気になるので続編が読みたい。

幻夜 (集英社文庫)

 

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