この作品の原作は東野圭吾著で、第6回本格ミステリ大賞、 第134回直木三十五賞を受賞している。
あらすじ
弁当屋を経営する花岡靖子(松雪泰子)は娘・ 美里と2人暮らしをしていたが、ある日元夫が現れる。
隣人の石神(堤真一) が偶然それを見つけ、2人を助けるため殺人隠蔽を決意。
愛を知らない男の、究極の愛の物語
石神は数学一筋の数学教師で、女性を愛したことがなかった。
親切にするのも自分のため。 不利益になることはしない。恋をすると、 自己中心的になりがちだ。
しかし、石神は違った。 彼は自己中心性が全く働かず、 自分を捨てても靖子に尽くしていく。
「自分はどうなってもいい」 そう思える愛する人を見つけられる人は多くはないと思うし、 見つけられた石神は幸せだと思う。
盲点を突く、数学者ならではの論理トリック
この作品のもう一つの魅力は、 数学者の石神と物理学者の湯川の対決だ。
数学と物理はとても似ているようで、 問題へのアプローチの仕方が逆だ。
石神は頭の中で論理的に理論を組み立てていき、 最良と思える手段をとった。
そして、 他作品の犯人がするようなミスを一切しなかった。
しかし、 湯川が仮説を実証していくことによって、完璧さが影を潜める。
最後に
この作品はトリックも面白いし、メッセージ性も強い。
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